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\ interview /インタビュー

小野富雄さん 文京区 ノルディックウォーク友の会

百歳まで自分で歩く

友の会を立ち上げるまで

50歳までは、酒屋、コンビニ、居酒屋など様々な仕事を30年間やっていました。子育てがひと段落したことなどを契機に、転職を考え、整体師を志しました。民間資格をとり、2年後、大手スポーツクラブからの業務委託で開業しました。
両親のケアを十分にできなかったことの罪滅ぼしではないのですが、高齢者のために何かできないかという思いで、「文の京介護予防教室」のボランティアをスタートしました。
2本のポールを使ってウォーキングを行うノルディックウォークに興味をもち、53歳の時に講習を受け指導員資格も取りました。文の京介護予防教室であるご婦人から「足腰が弱って、主人が出歩かなくなってきた」と相談を受けて、転倒予防・体力増強が図れるノルディックウォークを紹介しました。そのご夫婦がノルディックウォークを続け、体調もよく明るくなり、「友の会を立ち上げたい」という声を受けて会がスタートしました。

季節の風景を楽しみながら歩く

立ち上げ時は、区報・社会福祉協議会広報誌に掲載してもらっただけでなく、自費で新聞折り込みチラシを作り、参加者を募りました。現在は20名ほどが登録されています。週1回木曜日に、根津交流館に集まり、5キロ程歩いています。不忍池あたりまで行き、季節によって、桜を見に上野の山に行ったり、紅葉をながめたりしています。高齢者の見守りとして、欠席者には連絡を入れたりしますが、出席を強制はしていません。
参加費は200円、道具を借りる場合は追加で300円です。経験者、初心者、脚力の差でスピードも違い、前後に離れてしまうこともあります。もう一人全日本ノルディック・ウォーク連盟の方にお手伝いをしていただき、先頭と最後尾についています。
雨の日は、根津交流館で体操をし、からだのケアの指導もしています。お昼前に2時間ほど歩きますが、終わった後に食事をしたり、お茶をしたりもしています。

新たなやる気

「大病後にはじめたら、体力を取り戻すことができ、のめり込むようになった」「腰痛、ひざ痛、脊柱管狭窄症の症状が緩和した」「手術を勧められていたが、いつの間にか『手術は必要なし』と医者に太鼓判を押された」など嬉しいご報告をいただくことが多くありました。これらの成果を聞くと、嬉しく、やりがいを感じました。
と同時にもっと広めていきたいという気持ちも高まりました。ノルディックウォークはまだスポーツとしての認知度が低く、「杖で歩く運動」くらいにしか認知されていないことが多いです。しかし、運動量は、普通歩行より20%高く、実はとても有効な運動です。
仕事を終えた後の人生をどう生きるかは、人それぞれです。地域のために何かできることはないかと思ったら、ボランティアでも、シルバー人材センターの仕事でもとにかく一歩踏み出すことが大切だと思います。人のために何かをして喜んでもらえ、ほめてもらえたら、誰だって良い気分になります。
文京区民の皆さまが、100歳まで自分の足でしっかり歩けるように活動を拡げていきたいです。

このページを執筆したセカンドステージサポートゼミのみなさんと一枚

\ 取材後記 /

偶然にも私の自宅近くで、取材の翌週近所で文京区ノルディックウォーク友の会の皆さんを見かけました。「高齢者のために何かできないか」と、自ら会を立ち上げて毎週コツコツと活動を続けていらっしゃる小野さんのお話に深い感銘を受けました。私はリタイア後にはどこかのサークルに入って、趣味の仲間を見つけたいと思っていましたが、「自分の特技や趣味を活かして新しい活動を始める」という道もあるんですね。