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\ interview /インタビュー

和田 敏子さん(左)山岸 輝代さん(右)  折り紙の会

「先生」とは呼ばないでください

はじめは私たちも生徒だった

20年近く前、ある方に折り紙を教えていただく機会があり、毎回5、6人で楽しんでいました。当初は講師ではなく私たちも生徒でした。すると10年ほど前に、「折り紙の講師をやってくれないか」と相談されました。一度はお断りしたのですが、それでもと依頼していただき、1人ではできないけれど私たち3人(日頃は3人で活動中)でなら、ということでお引き受けしました。折り紙が好きで何年も続けてきましたが、特別に資格を持っているわけではありません。そのため受講生のみなさんには「先生とは呼ばないでください」とお願いをしています。

インタビューの様子

全員が必ず完成させられるように

毎回、みなさんに折りの工程を一つずつ示し、コの字に並べた机の内側に私たち3人が入り、わからなくて困っていたり、声がかかったりしたら、近くに行き教えるようにしています。
手先が器用な方もいれば、そうではない方もいます。ですから参加されているみなさんが、同じスピードで作品作りが進むわけではありません。そういうときは、みなさんに少し待っていただくなどして、その日に必ず完成させられるように配慮しています。1時間半という限られた時間なので、途中まで折ったものをいくつか用意しておくなど、工夫もいろいろ必要です。終了後は必ず、来月どんな風に進めるかなども相談し準備しています。
近くにある、おりがみ会館へはよく行き、新しい折り方の情報を得るようにしています。図書館から借りた本も参考になりますね。無料の講座なので、各自が折り紙を用意しますが、少し特別なものを使うときなどは、こちらで材料を用意し、お金をいただくような仕組みにしています。

写真:折り紙指導の様子

活動を長く続けるために

1人ではなく、3人で講師をやっているので、必ず2人は参加できる体制をとっています。高齢でもあるので、1時間半立ちっぱなしの指導を元気にできるよう、それぞれ健康維持への努力は欠かせません。区の転倒骨折予防体操教室に参加し、その後も「脳トレ!筋トレ!リズムトレ!」 の講座に参加したり、神田明神のラジオ体操に参加したり、毎日5000歩前後歩いたりなど取り組んでいます。折り紙は頭も使うし、楽しみでもあり、それによって生かされているなと感じます。
月に1回であっても、午後の数時間家を空けるということを10年間継続できているのは、家族の理解あってのことだと、とても感謝しています。

新しいことを始めるのに年齢は関係ない

どんなことであっても、自分が楽しいと思えることに出会うことが大切ですね。受講生の中には、作った作品をはがきに貼り、もう一工夫してお友だちや私たちに贈ってくださる方がいます。一緒に折った作品をそうやってアレンジしていただいたものを見るととても嬉しいですし、張り合いも出ます。外に出て何かを始めれば、必ず人との出会いがあります。共通の取り組みを通した出会いはとても貴重です。私たち3人も、1人ではなく3人で協力したから折り紙講座を10年間も続けてこられたと思っています。何か新しいことを始めるのに年齢は関係ありません。是非一歩、踏み出して楽しいことに出会ってください。

このページを執筆したセカンドステージサポートゼミのみなさんと一枚

\ 取材後記 /

インタビューでは、「3人で一人前」という言葉を何度も仰っていたのが印象的でした。当日インタビューをお休みされた方のことも尊重されるご様子が、この言葉に重みを与えているように感じました。仲間と支え合って好きな活動をする、まさに私たちの憧れのシニアライフを送る素敵な大先輩でした。
インタビュー終了後、私たちに折り紙作品をプレゼントしてくださいました。自宅に飾り、お二人のことを思い出しています。