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\ interview /インタビュー

坂巻三登さん シルバー人材センター

一歩踏み出す、自分を信じる

地域だから与えられる学びを子どもたちに

私が30代の頃、地域での関わりは今よりも豊かで、私も町会の役員として大勢の子どもたちをどう遊ばせていくかを考え始めたのが、関わりをもったのがきっかけでした。バスに乗ってお出かけやキャンプ、竹で水鉄砲を作るなど、子どもたちを中心に喜ぶことを企画し、実際に子どもたちの喜んでいる姿を見ると、自分たちも楽しかったです。
もともと町会は子ども神輿がきっかけで始まったもので、子どもたちに遊びの場を提供する目的で続いてきました。今は子育てや共働きで忙しい若い世代の親やワンルームの方が増えたことで地域としての関係性が希薄になり、なかなか参加してくださる方が少ないのが現状です。町会長として、子どもたちは勉強だけでなく、人とのつながりや遊びの中で得られるものもあると知ってほしい、参加してくださる方が増えてほしい。そのために試行錯誤しながら取り組んでいます。

シルバーでイキイキ輝く、元気をもらえる

私はもともと印刷業を営んでいたのですが、10年ほど前に現役を引退した当時は、これから自由な時間ができると喜んでいました。しかし、ゴルフや読書などをやってみたものの一人ではどうにも時間を持て余して、精神的にイライラしてしまうことも。そんなときに近所の人からシルバー人材センターに誘われ、軽い気持ちで登録してみました。その仕事の一つに除草作業があるのですが、暑くても寒くても関係なく行うので大変な部分はありますが、「きれいになったわ。ありがとう」の一言を頂けるととても嬉しくなります。
 シルバー人材には90歳近い方も登録されていますが、みな人間性が豊かで、作業中もイキイキと輝いています。その姿を見ていると、私もまだまだ頑張るぞ!と元気をもらえますね。

挑戦することで得られた生活のハリ

新しく物事を始めるときは迷ったり、ためらってしまうこともあるかと思います。特に仕事しかしてこなかったため、プライベートでの人付き合いが苦手という方も多いでしょう。私自身も自営業だったので、なんでも自分でやらなければいけないと思ってしまいがちな性格です。そのため町会やシルバー人材センターのことなどを考えすぎて夜中に目が覚めてしま
うこともありました。そんなときに思うのが、自分を信じることの大切さです。私たちの年齢になると、長い人生で様々な経験をしてきたことと思います。ですから未経験でも、たいていのことは乗り越えられるはずと自分を信じて一歩踏み出してみてください。軽い気持ちで新しいことを始めてみても、意外となんとかなるものです。
私のように町会で子どもたちや若い世代と関わり、シルバー人材で上の世代と関わり、地域でつながりの輪を広げていくことで、道で声をかけられる機会が増えることもあるでしょう。挑戦することで仕事中心だった生活とはまた違ったハリが出て、人生が変わるかもしれませんよ。

\ 取材後記 /

背中に温かい言葉が掛かった。「こんにちは。よろしくお願いします」。 慌てて後ろを振り向くと、ほっこりと温かな笑みが浮かんでいた。顔を見合わせた瞬間には、節電のため電気が落とされ薄暗いシビックセンター4階廊下にオレンジの電気がともされたような、心休まる温かなものに包まれた感覚に。なぜそんな感覚に陥ったのか、話しを聴いていく中で教えてくれた… 新しいことを教わっていくとき、物事だけを教わるのではなく、その人柄もみて教わっていくんだと。